1. つまずきやすい理由
- 英語の基礎がないとつまずきやすい
中学入学前に英語の基礎がない「英語初学者」の約80%が、ニュートレジャーの早期段階でつまずくと言われています(スタディ・コラボ調査)。ニュートレジャーはStage 1から難易度が高く、初めて英語を学ぶ生徒には授業内容が難しく感じられることが多いようです。 - 英語が苦手な生徒が多い
調査によると、小学生の30%、中学生の約40%が「英語が嫌い」と回答しており、甲陽学院の生徒では好きな教科として「英語」と答える生徒が20%未満に留まっています(スタディ・コラボ調べ)。特に中学1年の段階で英語を苦手とする生徒が多く、ニュートレジャーの難易度がその苦手意識を強め、次のステージへの意欲を低下させてしまう傾向があります。 - 一度苦手意識を持つと挽回は非常に難しい
初期段階でつまずくと、その後のStage 2以降で内容がさらに高度になり、個人の力で挽回するのは難しいのが現実です。スタディ・コラボによれば、つまずいた生徒が自力で克服するのは稀であり、2年分の学習の遅れを1日1時間で補うには700時間が必要とされています。このように、挽回には膨大な時間がかかるため、現実的に自力での克服は難しいといえます。 - 学習時間が足りない
ニュートレジャーで効果的に学習するためには週に5~6時間の自宅学習時間が推奨されていますが、実際にはその時間を確保することが難しい場合が多く見られます。特に、Stage 1やStage 2で基礎を固めるためには、この自宅学習が欠かせません。予習や復習が不十分なまま授業が進むと、理解が追いつかず苦手意識が強まってしまいます。 - 独特な文法の進め方
ニュートレジャーは大学受験を意識して、独特な文法配列で構成されています。こうした構成により、基礎が固まっていないと体系的な理解が難しく、知識が断片化しやすい特徴があります。大学受験を意識した文法基礎を持つ指導者のもとで、全体像を掴むためにしっかり学ぶことが重要です。
2. ニュートレジャーを克服するための学習法
- 勉強時間の確保
短期間で効果を求めるのではなく、週5~6時間の学習時間を確保し、予習・復習を行うことが重要です。例えば「can = be able to V」のように、単なる暗記にとどまらず、表現の使い方を理解しながら覚えることで、学習内容が定着しやすくなります。 - 継続的な学習習慣の確立
英語の学習は「毎日コツコツ」が基本です。週ごとの計画を立て、学習の積み重ねを習慣化することで着実に力がつきます。たとえば、「学校のテストで90点以上を目標にする」などの具体的な目標を設定すると、無理なく継続する意欲が湧きます。 - 正しい発音の習得
Stage 1やStage 2では、フォニックスを用いた発音の練習が効果的です。正しい発音が身につくと単語が記憶に残りやすくなり、リスニング力も向上します。家庭でもフォニックスを使って正確な発音を練習することで、英語力を大きく伸ばすことが期待できます。 - リスニングを重視した学習
リスニング力がある生徒は英語を理解する速度が速く、長文や会話もスムーズです。毎日10分程度のリスニングを継続し、英語のリズムやイントネーションに慣れることで文章の理解も進みます。また、リスニングの反復により記憶が定着しやすく、学習効果も高まります。 - 語彙と文法の先取り学習
ニュートレジャーの難易度に対応するため、Stage 1~3のうちに次のステージの語彙や文法を少し先取りしておくと授業内容に余裕を持って取り組めます。英語の本やニュース記事に親しみ、日常的に多くの英語表現に触れることで、自然に語彙力が向上します。 - 体系的な文法指導の受講
ニュートレジャーの独特な文法構成を理解するためには、体系的な文法指導が必要です。経験豊富な指導者のもとで段階的に学ぶと、単なる暗記ではなく実際に応用できる力が身につきます。これにより内容が繋がり、理解が深まります。 - 慢心しない
ニュートレジャーは内容が高度なため、ほとんどの生徒がいずれ「わからなくなる」ポイントに直面します。成績が良い生徒でも、知識が体系化されていないと混乱しやすいため、常に余裕を持って学習を進めることが大切です。特に男子生徒の場合、Stage 3あたりで「今は大丈夫でも、いずれ躓く可能性がある」と理解し、油断せず取り組む姿勢が求められます。実際に、中学3年あたりで「これまでできていたことが急にわからなくなる」生徒も少なくありません。
英検取得の目安:
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- 中学1年終了時:英検3級
- 中学2年終了時:英検準2級
- 中学3年終了時:英検2級
3. まとめ
ニュートレジャーは基礎が不十分な生徒にとって挑戦の多い教材ですが、以下の対策で確実にステップアップが可能です。
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- 自宅学習の時間を確保し、基礎を固める
- コツコツとした学習の積み重ね
- 正しい発音やリスニングの徹底
- 次のステージを見据えて語彙と文法を先取り
- 経験豊富な教師による体系的な文法指導
これらを意識した学習を行うことで、Stage 1~3の基礎をしっかり築き、次の学習段階へスムーズに進むことができます。