5. 丸暗記に頼った学習
文法を単に丸暗記するだけでは、応用や実践的なスキルが身に付きません。解説をしっかり読み、なぜその文法が使われるのかを理解することで、知識が「丸暗記」から「使える知識」へと変わり、記憶の定着が強まります。丸暗記を超えて、理解を伴う学習を行うことが実践力を高める鍵です。
対策:設問別問題集と音読・英会話練習で理解を深める
- 設問別問題集の活用
横断的に文法事項を扱える設問別問題集を用いると、複数の文法項目を組み合わせて学ぶことができます。解説をしっかりと読み込むことで、丸暗記ではなく、実際に「使える知識」に変わり、文法の応用力が養われます。 - 音読による定着
例文を声に出して音読することで、文法の使い方を体で覚え、自然な語順や表現が身に付きます。例えば、「現在完了形」についても、音読を通して「過去からの影響が今も続いている」ニュアンスを意識しながら使うことで、文法の理解が深まります。音読を繰り返すことで、文法が自然なフレーズとして定着し、実際に使用できる知識に変わります。 - 英会話による定着と応用力向上
英会話は、文法を実際に使う場面を提供し、習った文法を即座に応用する力を育てます。会話の中で文法を適切に使い分ける練習を重ねることで、学んだ知識が実践的なスキルに変わり、引き出しが増えます。さらに、英会話では瞬時に文法を組み立てる力が求められるため、反射的に文法を使う習慣が身に付き、記憶の定着が強まります。
6. いきなり高校英文法の問題集に手を付けることのリスク
高校英文法の問題集にいきなり取り組むのは、準備運動をせずにプールに飛び込むのと同じです。基礎が整っていない状態で進むと、やる気をなくしてしまうだけでなく、理解が追い付かず頭がこんがらがってしまうリスクがあります。まずは、中学英文法の定着にしっかりと時間をかけることが重要です。
対策:基礎から段階を踏む学習の重要性
- 中学英文法の完全な定着
高校英文法の学習を始める前に、数か月間を使って中学英文法を定着させましょう。中学の基礎がしっかり固まっていないと、高校英文法を学ぶ際に必ずつまずきます。中学英文法が身についているかの目安は、「1冊の問題集を2時間程度で見直せるレベル」です。このレベルまで復習を重ね、基礎を最優先に固めましょう。 - 参考書での理解を深めてから問題集へ
基礎が固まった後は、問題集にいきなり取り掛かるのではなく、まず高校英文法の参考書を使って理解を深めましょう。参考書には、高校英文法の基礎的な項目が順序立てて解説されており、問題集よりも易しい練習問題が豊富に含まれています。特に、参考書を活用して、中学英文法の復習を兼ねて高校文法に徐々に移行すると、無理なく理解が進みます。 - 問題集に取り掛かるタイミングを見極める
高校英文法書に付随する練習問題で手ごたえを感じるようになったら、ようやく高校英文法の問題集に取り組む準備が整ったといえます。問題集は、解説が少ないことも多く、難易度が高い場合があるため、参考書で十分に理解を深めてから取り掛かるのがポイントです。
こうして段階を踏んで基礎から学ぶことで、スムーズに高校英文法の理解が進み、やる気を失わずに学習が継続できるようになります。
7. 塾や予備校に通えば英文法ができるようになる、という考え方の誤解
多くの高校生が、「塾や予備校に通えば英文法ができるようになる」と考えがちですが、実際にはそうとは限りません。塾や予備校では英文法の理屈やルールは教えてくれますが、定着させるための十分な演習機会が提供されないことが多く、知識を「使えるスキル」として身につけるためには、塾以外での自己学習が欠かせません。特に、「問題を解くスピードや正確さを鍛えるには、短時間で頻繁に反復する学習が必要」とされており、こうした定着のための取り組みは自己学習で補うことが重要です
対策:自己学習と自分に合った教材の活用
- 参考書や文法書を利用して自分のペースで学ぶ 塾や予備校に頼るだけでなく、自分に合った参考書や文法書を活用することが大切です。特に、人気のある参考書や文法書には、わかりやすい解説と例文が豊富に含まれており、文法をしっかりと理解するために有効です。参考書は持ち運びが容易で、隙間時間を活用して学習できるメリットもあります。
- 演習量が豊富な塾や予備校を選ぶ 英文法の理解をさらに深めたい場合、理屈を教えるだけでなく、十分な演習時間を確保している塾や予備校を選ぶと効果的です。例えば、英語のリーディングや文法を反射的に使えるまで訓練するような学習方針の塾であれば、知識が定着しやすくなります
- 日常的な反復練習を取り入れる 文法を「脊髄反射で使える」レベルにまで鍛えるためには、短時間で頻繁に復習を行う反復練習が不可欠です。一度学んだ知識を何度も見直し、少ない時間でも回数を重ねて定着させることで、文法が実際に使えるスキルとして身につきます
8. 慢心による誤解
保護者や生徒が学校の成績を「英文法理解の指標」として考えるケースが多いですが、これは危険です。学校のテストは暗記中心の問題が多く、理解が浅くても得点が取れることがあり、真の理解にはつながらないことが多いです。「平均点以上だから安心」と油断することなく、基礎理解を徹底し、定期的に確認する姿勢が重要です。
対策:基礎理解を確実にし、定期的に確認する
- 基礎に立ち返る
理解も大切ですが、解説できない問題や答えが曖昧な箇所に遭遇した際には、文法書で確認する習慣を身につけることが不可欠です。文法書での確認は、新たな視点から文法項目を理解するきっかけになり、独自の解釈や記憶の強化に役立ちます。自ら説明できるレベルまで理解を深めることを意識しましょう。 - 定期テストの復習を徹底し、反復する
定期テストが終わった後の復習に時間をかけることで、知識がさらに定着します。特にテスト後の1か月後にもう一度復習することで記憶が強固になり、定着効果が高まります。このタイミングでの復習は、次の定期試験までの間に再確認することで、長期記憶に繋がりやすくなります。また、試験での弱点を補強する良い機会となり、学力の向上にも効果的です。