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中1生向け|保護者が家庭でできる英語学習サポートガイド

1章 語学学習の最適な時期すでに臨界期は過ぎている!?

1.はじめに:語学学習のタイミングについて

  • 現状認識の確認
    「多くの保護者が、中学生から本格的な英語学習を始めれば十分だと考えているかもしれません。しかし、そのタイミングではもう遅すぎる可能性があります。今日はこの事実について深く掘り下げていきます。」
  • なぜ「中学生からでは遅すぎる」のか?
    幼少期から小学生低学年までが言語習得の黄金期です。脳の神経回路が柔軟で、言語の吸収力が最も高いこの時期を逃すと、その後の学習が大幅に難しくなります。脳の可塑性がピークを迎えるのは10歳前後です。この期間を過ぎると、英語の発音や直感的な文法理解を自然に吸収する力が急激に低下します。「英語をただ習得するのではなく、将来的にネイティブレベルで使える英語力を目指すためには、この初期段階がいかに重要かを強調したいと思います。」

 

2.なぜ語学学習は早いほどいいのか?科学的根拠

  • クリティカルピリオド(臨界期)仮説
    言語を自然に吸収できる脳の機能が最も活発な時期は10歳頃までです。臨界期を過ぎると、発音やイントネーション、自然な文法感覚を後天的に習得することが非常に難しくなります。
    発音の壁:早期に学習を始めた子どもは英語の発音を自然に身につけ、聞き取りやすく話すことができますが、後から学ぶと日本語訛りが強く残りやすいです。
  • エビデンスを基にした説明
    「脳科学の研究によると、幼少期に英語に触れることで、その後の語学習得に大きなアドバンテージが得られることが明らかになっています。特にリスニングやスピーキング能力において、早期学習の効果が顕著です。」
    例えば、早期から英語を習得した子どもは新しい言語を学ぶ際にも、柔軟で迅速に対応できるデータが存在します。
  • 具体例を使った説明
    「幼少期に英語環境で育った子どもは、中学に入る時点で既に高度なリスニングや発音の基盤を持っています。逆に、日本語のみで育った場合、発音や聞き取りはその時点で取り返しのつかない差が生じることもあります。」

2章 子供が英語嫌いになるわけ

1.中学生以降に始める語学学習の現実と心理的な影響

  • 言葉に点数をつけられることのストレス
    英語教育はしばしば点数やテストに偏りがちですが、言語とは本来コミュニケーションのためのツールです。しかし、試験や文法の間違いを指摘され、点数をつけられることで、英語学習がストレスになり、学習意欲が低下します。「母国語で毎回文法や語彙の間違いを指摘され、点数をつけられることを想像してみてください。それは大きなプレッシャーであり、自己表現への恐怖を生み出します。」
  • 思春期特有の自己肯定感への影響
    思春期の生徒は自己肯定感が低くなりやすい時期です。この時期に過度に指摘されたり他人と比較されることで、学習に対する抵抗感が高まります。「英語を話すたびに間違いを指摘されたり、他の生徒と比較されると、特に思春期の生徒は萎縮し、学びたい気持ちが失われがちです。」
  • モチベーションの低下
    受験や成績評価のプレッシャーが増す一方で、学習が「試験のため」だけになり、楽しさや実践的な英語の使用が二の次になります。間違えないようにすることへの恐怖が強調されることで、結果として学習への意欲を失うことが多いです。
  • できる子とできない子の差は非常に大きい
    「英語は他の科目とは異なり、初期の学習差がその後の進度に大きく影響します。例えば、中学1年生の段階で英検準1級を持っている子どもと初学者では、6年間かけてもその差が埋まらないことがあります。」
    「これは、他の科目に比べて圧倒的に大きな差であり、英語の学習においては早期にスタートしなければ、そのギャップを埋めるのが非常に困難です。」
  • 最初から絶望的なスタートを切っている現実
    英語が遅れている子どもにとっては、中学に入学した時点で既に絶望的なスタートラインに立っていることを保護者は理解する必要があります。「特に進学校では、中学に入る前に英検3級程度の語学力がないと、授業についていけないという現実があります。中学生になってからでも大丈夫という考えは、非常に危険な誤解です。」
  • 保護者の英語教育への軽視
    多くの保護者が「英語は中学から始めれば十分」と考えていますが、これは非常に危険な誤解です。特に進学校では授業の進度が速く、内容も高度です。英語の基礎が固まっていないと、早い段階で授業についていけなくなり、一度わからなくなるとモチベーションが急激に低下することがあります。保護者には、「中学生になってからでも間に合う」という感覚を改め、中学入学前の段階でしっかりとした英語の基盤を築く重要性を認識していただきたいです。
  • 学校英語、受験英文法が面白くないため
    多くの子どもが英語を苦手とする背景には、学校や塾での英語教育の内容が「面白くない」という現実があります。現行の英語教育は点数を重視し、文法を中心にした暗記型の学習に偏りがちです。英語をコミュニケーションの手段として捉えず、単なる「知識」として押し付けるアプローチでは、子どもの興味を引き出すことができません。

 

2.学校や塾での英語教育が面白くない理由

  1. 点数をつけることによるストレス
    言語は本来、コミュニケーションを楽しむための道具です。しかし、点数や試験で評価されることでストレスを感じ、英語に対する抵抗感が生まれます。言語学習において間違いは成長の証ですが、日本の英語教育では減点要素として扱われるため、失敗を避ける姿勢が生徒に強まります。
  2. 文法中心の教育
    現在の英語教育は文法を中心に据えた教え方に偏っています。文法の理解は必要ですが、例えば日本語でも小学生に週4時間文法の授業を強制したら、退屈だと感じるでしょう。文法の丸暗記や知識の詰め込みを重視するあまり、実際に英語を使って「伝える楽しさ」を教える機会が極端に少なくなっています。
  3. 暗記型学習に偏る傾向
    英語を単なる知識として捉え、暗記に頼った学習法は、興味を喚起するどころか、英語学習を苦痛に変えてしまいます。「英語を使って何かをする」という楽しさを教えずに、ただ問題を解くことや知識を詰め込むことに集中すると、自然と英語への興味を失ってしまいます。
  4. コミュニケーションの機会がない
    語学は実際に使ってみることでこそ身につきます。中学生以降の英語教育では、会話の実践やコミュニケーションの機会が限られがちです。実際に話すことなく、教科書の内容や文法問題を解くことが中心になってしまうため、子どもは英語を「使う」ことの楽しさを経験する機会が少なくなります。

3章 それでも英語が得意になるために

1.中学段階での英語学習における保護者の役割

  • 絶対に叱らないこと
    中学段階における子供の英語力向上には、保護者の責任が不可欠です。英語学習で多くの子供がつまずく原因は、しばしば保護者の教育方針や支援の不足に起因しています。ここで重要なのは、子供の英語力の不足をその能力や努力に帰することは避けるべきであり、これが保護者の根本的な理解となるべきです。以下の点を心がけることが重要です。
  • 失敗を受容する姿勢
    子供が英語学習でつまずく際に、決して叱責や失敗を責める姿勢は取らないようにしましょう。語学学習において完璧な習得者は存在せず、母国語においても全ての話者が完璧ではないことを理解することが大切です。この寛容さが、子供に対しても必要とされます。失敗を受け入れる姿勢を育むことで、子供は安心して学び続けることができるのです。
  • 高得点を目指すプレッシャーを避ける
    初めから高得点を目指すことは避け、まずは基本的な事項が理解できているかを確認することが重要です。中学英文法の学習が終了するまで焦らず、基礎を固めることが将来的な成績向上に繋がります。この段階での基礎確認が、子供の自信と能力を引き出す鍵となります。基礎がしっかりと固まっていることを重視し、子供が自信を持って英語を使用できる環境を整えることが、持続的な学習を促すために不可欠です。
  • ケアレスミスの分析とアプローチ
    ケアレスミスに対して過剰に反応せず、またそれを子供の気質のせいにすることも避けるべきです。誤りを分析し、改善する姿勢を育むことが重要です。保護者は、上から目線で接するのではなく、コーチとしての役割を果たすべきです。すなわち、子供を審判とするのではなく、共に学び成長するパートナーであることを自覚することが求められます。

2.英語学習における発話機会の増加と文法学習の効率化

  • 英語を話す機会の重要性
    子供の英語力を向上させるためには、発話機会を増やすことが不可欠です。発話を重視することで、実際に言葉を使う感覚が養われ、コミュニケーション能力が高まります。特に、英会話の練習は言語習得において非常に重要な要素です。英会話を通じて自然な表現やリズム、イントネーションを学ぶことができるため、語学力向上に寄与します。保護者は日常生活の中で意識的に英語を話す機会を設けることが求められます。
  • 文法問題にかける時間の見直し
    文法問題へのアプローチを再評価する必要があります。例えば、1時間で30題の文法問題に取り組む場合、1問あたりの文字数が15文字であるため、合計で触れられる英語は約500語に過ぎません。これに対し、音読を行った場合、1時間の音読で120語の速度(WPM)で進めると、実に7200語の英語に触れることが可能です。また、英会話の場合は一般的に2000語から3000語が使われ、英語で考えながら話すため、音読よりもさらに効果的です。
    文法問題を解くことは重要ですが、英語に触れる機会を増やすことは、言語習得において圧倒的に優位です。文法学習を効率的に行うためには、まず多くの英語に触れ、その後に文法問題に取り組むという流れが推奨されます。

 

3.効率的な学習のための戦略

  • 基本的な文法理解の確立

文法は基本的な事項に留め、英会話や音読を中心にした学習が効果的です。文法の理解は確かに必要ですが、語学学習は実際に言葉を使うことで成り立ちます。以下の学習の流れを進めることをお勧めします:

  1.大量のインプット

英会話や音読を通じて、多くの正しい英語に触れる。例えば、毎日一定時間、英語の絵本やストーリーを読むことから始めてみましょう。子供が興味を持ちそうな内容を選ぶことで、より効果的に学びを促進します。

  2.発話練習
英語を使う機会を意識的に増やし、実際に話すことで習得した語彙や表現を実践する。家庭内での簡単な英会話や、オンライン英会話レッスンを利用して、子供が自信を持って話せる環境を整えましょう。

  3.文法問題への取り組み
十分なインプットがなされた後、文法問題に取り組むことで、文法の理解を深める。この段階では、実際に使用される文脈の中で文法を学ぶことを意識すると良いです。例えば、好きな英語の歌詞を分析することで、文法を楽しく学べます。

この方法を採用することで、保護者は子供がより効果的に英語を習得できる環境を整えることができます。発話の機会を増やし、実際に使える英語力を養うことが、子供の英語学習において最も重要な要素となります。

  4.保護者の積極的な関与と支援

保護者はただのサポーターであるべきではなく、子供の学習に積極的に関与することが重要です。英語の学習は子供自身の努力だけではなく、周囲の支えが大きな影響を与えます。保護者が日常的に英語を話したり、英語の本を一緒に読んだりすることで、学習の楽しさを共有することができます。さらに、英語を話す友達との交流を促進したり、英語の映画やアニメを一緒に観ることで、自然な言語環境を提供することができます。

  5.楽しむことが成功の鍵

最後に、英語学習は楽しむことが最も重要です。子供にとって学びが楽しいものであると感じられれば、自発的に学び続けることができます。遊びを通じて英語を学ぶことや、好きなことを英語で表現する機会を増やすことで、学習へのモチベーションを高めましょう。保護者はその楽しさを理解し、支援することが重要です。