英検を活用したリスニング力の強化法
英検を活用したリスニング力の強化法は、段階的に進めることができ、特に英語初心者から中級者にとって非常に効果的です。以下に、その具体的なステップと準備物について詳しく説明します。
1.英検を利用するメリット
英検を利用してリスニング力を強化する理由は以下の通りです:
- 段階別の難易度
英検は各級で難易度が明確に分かれており、3級から準1級まで段階的にレベルアップが可能です。これにより、リスニング力が少しずつ強化され、無理なく難しいレベルにも挑戦できます。 - 短時間での反復学習が可能
リスニング問題は短時間で解けるように設計されているため、1回の学習で何度も繰り返し練習できます。繰り返すことで耳を慣らし、リスニング力の向上を目指します。 - 話題が平易
出題されるトピックは身近で理解しやすく、日常生活に関連した内容が多いため、初心者でも取り組みやすいのが特徴です。 - 教材が豊富
市販されている教材が豊富で、過去問や単語集などを手軽に購入できます。特に、過去問を使った反復練習が非常に効果的です。
2.用意するもの
リスニング力を強化するためには、以下のアイテムを準備することをおすすめします。
- 目標とする級の単語集と過去問
まず、目標とする級(3級、準1級など)の単語集と過去問を準備します。旺文社の単語集は特におすすめで、段階的に語彙を増やしていくことができます。語彙力を向上させるためには、受験する級の単語に加え、一つ上の級の単語も覚えておくことがコツです(例: 3級を受けるなら準2級の単語を同時に学習)。 - 過去問の準備
過去問は12回分程度を準備しましょう。準1級を目指す場合は18回分程度が理想です。Amazonなどで古い過去問を購入しても問題ありません。古い過去問も含め、繰り返し練習することでリスニング力が着実に向上します。
3.理解できない理由
リスニング力が向上しない理由には、いくつかのパターンがあります。
- 知らない単語
リスニング力が向上しない大きな理由の一つは、知らない単語が多いことです。知らない単語を聞いても理解できないのは当然で、これがリスニング力向上の妨げとなります。アメリカ大統領の演説や有名な経営者、スポーツ選手のスピーチで用いる単語の90%以上が中学校レベルの語彙で構成されていることがわかっています。 - 音と意味の紐づけ不足
知っている単語でも、その音と意味が結びついていないことも問題です。たとえば、「local」をネイティブスピーカーが「ロコ」と発音すると、日本人は「ローカル」と覚えているため、それが同じ単語であると認識できない場合があります。また、リンキングという現象により、単語が連結されて発音されるため、これに慣れていないと聞き取りが難しくなります。これらの音と意味を結びつける練習が必要です。
4.単語の暗記方法
リスニング力向上のためには、単語を効果的に覚える方法があります。
- 正しい発音を心がける
単語を覚える際に重要なのは、正しい発音を習得することです。カタカナやローマ字読みは避け、ネイティブの発音を意識して繰り返し練習します。音で単語を覚えることが大切で、スペリングには最初はこだわらず、耳から覚えることがポイントです。 - 段階的な単語学習
最初の段階では、英検3級レベルの単語から始めることをおすすめします。これにより、日常会話で使われる基本的な単語の発音や意味がしっかり身に付きます。有名なスピーチの90%以上が中学校レベルの単語で構成されているため、この基礎を押さえることがリスニング力向上に役立ちます。
5.リスニング上達のための具体的なステップ
- 正しい発音を繰り返す
カタカナ読みやローマ字読みではなく、正しい発音とアクセントを繰り返し練習することが必要です。知らない単語は、まずその発音をネイティブの発音に近づけることが最優先です。耳から入った音を繰り返し発音することで、聞き取りやすくなり、自然に単語が覚えられるようになります。 - 単語とフレーズの音と意味を結びつける
特に、日常的に使われるフレーズや基本単語に関しては、正しい発音とその意味を結びつけることが大事です。例えば、「local=ロコ」、「talk about=トーカバゥ」というように、ネイティブの発音に慣れていくことで、聞き取れる単語が増えていきます。
6.実践:4週間で簡潔な英検リスニング対策
1週目: 単語暗記とリスニング
目的
- 基本的な語彙力を向上させつつ、リスニングスクリプトに耳を慣らし、正しい発音を身につける。
学習時間
- 1日60~80分、合計で週に約5~7時間
学習内容
<平日(月~土)>
1.単語強化
❶市販の英検2級または3級用単語集を使用し、毎日約40分間、単語の正確な発音を
練習する。(パス単3級:1日100語、パス単2級:1日150語)
❷スペリングに過度に注意せず、発音・アクセントを重視。
❸カタカナ語はカタカナで理解すること。無理に日本語に訳す必要はない
(例:「リメンバー」など)。
2.リスニング学習
❶英検の過去問から直近6回以前の問題を6題選択
❷日本語での意味の確認(日本語で理解できない部分は、英語でも理解が難しい)
❸わからない単語や文法を確認
❹音声を流し、スクリプトを指さし確認(音に合わせて指で文字をなぞる)。
※この段階では問題を解く必要はなく、耳を使って音をキャッチすることに集中。
<週末(日曜日)>
1.単語強化: 単語の暗記を確認(60分)
- 月~土で学習した単語の意味と発音の確認。意味は、英語→日本語でOK。
2.リスニング学習: 選んだ6題を再度聞く(60分)。2週を目安。
2週目: 単語暗記の続行と実際のリスニング問題への挑戦
目的
- 単語の正確な発音を引き続き練習し、実際のリスニング問題に挑戦してリスニング力を高める。
- パス単3級:1200語(1日100語)
- パス単2級:1700語(1日150語)
学習時間
- 1日約60分、合計で週に約7時間
学習内容
<平日(月~土)>
1.単語強化(継続)
- 前週の続き。発音に重点を置き、正確に発音できるように練習。
2.リスニング問題演習
❶1週目に耳慣らしとして使用した過去問6題を、時間を計って実際に解く。
❷実際に所定の時間でリスニング問題を解答し、間違えた部分のスクリプトや音声を
確認しながら復習。
❸確認後は、再度同じ問題(スクリプト)をリスニングする。
<週末(日曜日)>
1.単語強化: 単語の暗記を確認(60分)
- 英語→日本語で意味が言えることが目標。
2.リスニング学習: 選んだ6題を再度聞く(60分)。
3週目・4週目: 単語の復習と高速リスニング
目的
- 単語の発音と意味を再確認し、高速でのリスニングを行い、ネイティブに近い速さに
耳を慣らす。
学習時間
- 1日30分程度、合計で週に約3.5時間
学習内容
1.単語の復習
❶1週目と2週目で覚えた単語を復習し、発音と意味を再確認。
❷正確な発音を意識して、1週間で全単語を終える。
2.高速リスニング
❶過去に使用したリスニング問題(12題)を1日1題再度リスニング。3回以上実施。
1回目は通常スピード、2回目以降は再生速度1.25倍から1.5倍に設定して聞き直す。
❷その後は、週に2~3題を目安に、予想問題や過去問に取り組む。語彙のメンテナンスを
週末に実施(1時間程度)。